この記事は、入門編「なぜ、いま読書なのか」の第3話です。▶︎ 入門編を最初から読む(全話一覧)
前回のテーマは「なぜ本が読めなくなったのか?」でした。
結論はひとつ──
ぼくたちが悪いんじゃない。
“現代の環境が強すぎるだけ” だった。
スマホを開けば刺激があふれ、
通知と情報がひっきりなしに押し寄せてくる。
そんな世界で、静かに本を読むための集中力が奪われてしまうのは、
ある意味で当然のことです。
だから、読めなくなったのではなく、
ただ、環境に圧倒されていただけ。
では──
「昔みたいに本を読める自分」をどう取り戻すのか?
そのヒントが、今回のテーマ “火種” です。
「読みたい気持ち」は、どこから生まれるのか
人が本を読みたくなる瞬間(火種)って何?
本を読む気持ちがほんの少しでも芽生えれば、
読書はまた生活の中に戻ってきます。
そこで今回は、
ぼくたちが自然に “本を読みたい” と感じる瞬間を
「3つの火種」 として紹介します。
その前にひとつだけ、
安心してほしいことがあります。
今回の記事で取り扱うテーマ「火種1〜3」は、
昔は本を読んでいた人が、
再び読書を取り戻すためのヒント
として書かれています。
でももしあなたが、
- 「そもそも本に興味がない…」
- 「読書経験ほぼゼロなんだけど…」
という
“火種” に気づいていない状態でも大丈夫。
「この記事の最後には、本と仲良くなるための
“最初の入り口”を、そっと示すメッセージを用意しています。」
どうか、心配なさらずに、気楽な気持ちで、
この記事を読み進めてみてくださいね。
火種1:ふと「気になる」が芽生える瞬間
1つめの火種は、
あなたの心の中に、すでに眠っている「興味」と「関心」です。
なんとなく言葉ではうまく説明できないけれど、
好き。面白い。夢中になる。楽しい。
仕事とは関係なく、
「これだけは自然と気になってしまう」
「つい時間を忘れてしまう」
そんなものは、思い当たりませんか?
それは、あなたがまだ気づいていないだけで、
本を読むきっかけ──
火種になる可能性を、ちゃんと持っているんです。
理由はわからない。でも、心がちょっと動く
- 本屋で目に留まったタイトル
- 「この本、とても面白かったよ」と人に紹介された本
- SNSのオススメに、表示された本の表紙(広告)
ほんの一瞬、あなたの胸の中で
「あれ、なんかちょっとだけ、この本が気になるな」と
小さく灯る火のような感覚。
あなたは、こんな小さな違和感に
気づいたことはありませんか?
「気になる」は、説明できなくていい
この心が感じる“ひっかかり”は、
理由が説明できないことも多いです。
でも、確かに自分の心がそっと動く瞬間がある。
本を読み始める「きっかけ」は、
こうした “小さな違和感” を発見すること。
自分の中にある、
小さな興味と関心から始まることが多いんです。
それは、誰かに押しつけられた
興味や関心ではありません。
あなたの内側から自然に湧いた、
「本を読みたい」という気持ちのはじまりなんです。
読書が得意かどうかは、関係ありません
そして、この火種は
「読書が苦手」「活字を読むと疲れちゃう」という人にも、
実はそっと訪れています。
なぜかというと──
“興味が芽生える瞬間” は、
読書歴や、得意、不得意とは関係なく、
人が自然に反応するときに起きるもの だから。
好きなものの話なら、自然と覚えているはず
たとえば、
アニメやゲームが好きな人。
鬼滅の刃、名探偵コナン、呪術廻戦。
ジブリ、ディズニー作品。
ドラゴンクエストシリーズなどのRPG。
モンスト、パズドラなどのスマホゲーム。
もし、好きな作品がひとつでもあるなら、
きっとあなたは、
登場人物の名前や関係性を自然に覚えているはずです。
ストーリーの流れも、
印象に残ったシーンも、
なぜか頭の中に残っている。
誰かに「どんな話?」と聞かれたら、
ちゃんと順番立てて説明できたりもする。
でもそれは、
勉強したからでも、
覚えようと努力したからでもありません。
あなたが、その作品を好きだったから、勝手に入ってきただけ。
人間は、自分の興味や関心がある事柄については、
自然と「理解して、記憶して、考える」ことができる。
それはもう、あなたが興味や関心がある
本を読むときと、ほとんど同じ状態なんです。
もし、好きな作品の“裏側”を知れる本があったら
もし、あなたの好きな作品に
設定資料集やファンブックがあったら──
どんな内容が書かれているのか、
ちょっと気になりませんか?
もし、ほんの少しでも本を手に取って、
「読んでみたいかも」と思えたなら、
それだけで十分です。
あなたは「本が読めない人」じゃない
あなたは、
自分が夢中になれるテーマなら、
ちゃんと本を読める人です。
好きな作品がある。
気になる世界がある。
もっと知りたいと思える対象がある。
それはもう、
読書のいちばん大切な条件を
あなたは、すでに満たしている、ということ。
本が読めないのではなく、
まだ「読みたい本」に出会っていなかっただけ。
興味や関心が灯ったとき、読書は自然に始まります。
こうした“小さな反応”は、
どんな人にも、ふとした瞬間に起きています。
意識していなくても、
心はちゃんと、何かに反応している。
読書が得意か苦手かは関係ありません。
心が「ちょっと気になる」と言ったとき──
それが、本を読みたい気持ちの最初の灯りなんです。
これが、1つめの火種、あなたの中に眠る、
興味と関心に気づくでした。
次は、2つめの火種についてお話ししていきます。
火種2:静かに落ち着きたい、と思う瞬間
2つめの火種は、
「静かになりたい」と心がそっとつぶやいたとき に訪れます。
- にぎやかな世界に疲れたとき。
- スマホを閉じたくなるとき。
- 脳の奥が「ちょっと休ませて」と訴えてくる瞬間。
そんなとき、本は驚くほど自然にあなたを受け入れてくれます。
それは“逃げたい”からでも、“前向きになりたい”からでもなく、
ただ、
静かで、自分だけの世界に入りたい。
その気持ちがほんの少し芽生えた瞬間に、
読書という行為がふっと浮かび上がるんです。
本の世界は「自分のペースで沈んでいける世界」
本にはいろいろなジャンルがあります。
- 物語なら、ゆっくり世界へ沈み込める
- エッセイなら、柔らかい言葉が心をほぐしてくれる
- ビジネス書なら、考えが静かに整理されていく
どんなジャンルでも共通しているのは、
外の音や刺激から、ひとつ距離を置けること。
そしてここで、ふと疑問が浮かぶかもしれません。
「映画でも同じように没入できるんじゃない?」
たしかに、その通りです。
映画もまた、外界から距離を置き、
心を落ち着けることができる素敵なコンテンツです。
映画の魅力も素晴らしい。でも、本の静けさは少し違う。
映画には映像、音楽、演技、演出──
たくさんの才能がつくる“完成された世界”が広がっています。
そこに飛び込む没入感は、唯一無二です。
ただ、本と映画の違いをひとつだけ挙げるなら、
- 映画は 誰かがつくった世界に触れる 行為
- 読書は 自分の中で世界をつくる 行為
という点です。
どちらが良い、悪いではなく、
ただ、静けさを求めたい瞬間に寄り添ってくれるのは読書のほう なんです。
なぜなら本は、
“自分のペースで、誰にも邪魔されずに沈んでいける”
そんな世界を開いてくれるから。
読書は、静かな世界へつながる「扉」
ページをめくるたびに外の音は遠ざかり、
誰かの解釈でも映像でもない、
自分だけの世界がそっと立ち上がってくる。
火種2とは、
この 「自分の時間がゆっくり流れはじめる感覚」 のこと。
静かに世界から距離を取りたいと感じたその瞬間、
本はいつでもあなたの帰り道になってくれます。
疲れたとき、少し落ち着きたいとき、
心が「静けさ」を求めたら──
ほんの数ページだけでも、本を開いてみませんか?
これが2つめの火種、現実世界から距離を取りたい。
心の静けさを欲するタイミングについてでした。
それでは、続きましては…
3つめの火種についてお話しします。
火種3:新しい一歩を踏み出したくなる瞬間
3つめの火種は、ズバリ 成長欲求 です。
これは、多くの人が本を手に取る理由そのものでもあります。
本を買うと聞いて、
あなたはどんな場面を思い浮かべるでしょうか。
- 資格試験の勉強。
- 語学の習得。
- 専門分野の知識や、ビジネススキルの向上。
スキルアップや知識を身につけるため。
本を買う理由として、もっとも分かりやすく、想像しやすい動機です。
- 新しいことを学びたい。
- 何かに挑戦してみたい。
- 仕事の悩みや問題を、少しでも前に進めたい。
そんなとき、人は自然と
「答えがありそうな場所」を探しはじめます。
そして、多くの場合、
その行き先が 本屋 なんです。
成長したいと思ったときの手段として、
本はずっと、たくさんの人に選ばれてきました。
「成長したい、と思った瞬間に灯る火」
- もっと、成長したい。
- 行き詰まりをなんとかしたい。
- 次のステージに進みたい。
そんな願いを抱いたとき、
本はいつも不思議なほど「最短距離のヒント」をくれる。
「知識、スキル、考え方、視点」
ほんの1ページの一文が、
小さな糸口となって人生を動かし始めることがある。
「すべてを変えなくていい」
もちろん、
すべての本が劇的な変化をくれるわけじゃありません。
でも、本から学んだ、たった一つの気づきが、
“昨日までの自分” を、
そっと押し出してくれる瞬間があるんです。
この「変わりたい」「成長したい」という火種は、
本を読むキッカケの中でも、とても誠実で静かな灯りです。
本は、変わりたい気持ちに寄り添ってくれる
そして何より──
“本を読みたい気持ち” と
“変わりたい気持ち” は、とても相性がいい。
本はあなたのペースで寄り添ってくれるから。
前に進みたくなったら、
一歩先の景色をそっと見せてくれるし、
立ち止まりたくなった日は、
ページを閉じても静かに待っていてくれる。
誰にも急かされず、
誰かの価値観に押しつけられることもなく、
自分だけの歩幅で変化に向き合える。
その安心感があるからこそ、
「変わりたい」という火種は、
本の世界でやさしく育っていく。
そして、気づかないほど
小さなページの一文が、昨日までの自分を
ほんの少しだけそっと押し出してくれる。
それが、
“新しい一歩を踏み出したくなる瞬間=火種3です”。
この3つめの火種は、とても静かで、とても誠実な灯りです。
「変わりたい」は、立派な火種です
今の自分を成長させたい!!
新しい自分へ生まれ変わりたい!!
こんな欲求や気持ちが生まれた瞬間こそ、
読書は、とても相性のいい選択肢になります。
ここまで、
本を読むきっかけが生まれる「3つの瞬間」について
お話ししてきました。
次は、この記事全体のまとめとして、
あらためて火種を振り返ってみましょう。
【まとめ:あなたの中にも、きっと火種はある】
「最後に、ここまでのお話を、
そっと振り返ってみましょう。」
火種1は、
胸のどこかがそっと動く「小さなひっかかり」。
ほんの一瞬の“気になる”が、読書の扉をそっと押してくれる。
興味と関心は誰の中にも眠っている。
火種2は、喧騒から離れて
「静かな世界に戻りたい」という願い。
本の世界は、ページをめくるたびに、
自分の時間がゆっくり戻ってくる。
読書は、自分だけの世界に没頭できる。
それが本の世界に入り込む魅力なんです。
火種3は、
「変わりたい」「前に進みたい」という静かな決意。
ほんの一文が、
新しい一歩をそっと背中で押してくれる。
読書は、あなたの人生を動かす
小さなキッカケをくれるもの。
こんなお話をお伝えしてきました。
今回の記事でお話しした火種たちは、
どれも大げさな動機じゃありません。
どれか一つが強く現れなくても大丈夫。
どんな些細な、小さな灯火でもOKです。
むしろ、多くの人の場合──
気づかないうちに、すでに心の中に火種は灯っている。
だから、無理に火を起こそうと
しなくていいんです。
あなたの中にある
“ほんの少しの気配”に気づいてあげるだけでいい。
ゆっくりでいい。
小さくていい。
たった一度、ページを開くだけでいい。
その小さな火が、やがては大きな炎となって、
あなたと本をもう一度つないでくれます。
読書がまだ遠く感じるあなたへ
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。
長い文章に付き合っていただけたこと、その時間がまず嬉しいです。
どこかひとつでも、
あなたの心の中で “ひっかかる火種” が灯ったなら、
それだけで十分すぎるくらい価値があります。
でも──
もし今、
「どれも、まだ自分にはピンとこないかも…」
「正直、本に興味がわく感じがしないんだよね」
そう感じていたとしても、大丈夫です。
あなたに“火種がない”のではありません。
ただ、まだ本と出会う少し手前の、
静かで落ち着いた場所に立っているだけ。
火種が思い当たらないというのは、
決して「劣っている」「遅れている」という意味ではありません。
むしろそれは、
「これから、どんな距離感で本と出会っていくか」を
自由に選べる余白を持っているということ。
いきなり読書に飛び込む必要はないし、
興味が動くまでそっと待ってもいい。
あなたにとっての“最初の一歩”は、
もっと柔らかくて、もっとやさしい形でいいんです。
では、その小さな一歩ってどんなものなのか?
それについては、次の記事でゆっくりお話しします。
焦らなくて大丈夫。
読書はいつだって、
あなたのペースに合わせて寄り添ってくれます。
だから、どうか安心してくださいね。
この続きは、また一緒に見つけていきましょう。
お疲れ様でした。
Thank you for reading.
ここから先の話について
ここまで読んでくれたあなたは、
きっと少なくとも「読書」というものに、
一度は立ち止まって考えてくれた人だと思います。
ただ、その感じ方は人それぞれかもしれません。
なので、この先の話では、
無理に一つの道を用意しません。
今のあなたの感覚に近いほうを、
気になったら、そっと覗いてみてください。
Aルート|「読書、もう少し深く考えてみたい」
(※ 本を読むこと自体には、あまり抵抗がない人へ)
- 本を読む意味や価値について、ちゃんと考えてみたい
- なぜ読書が役に立つのか、腑に落としたい
- 自分なりの“読書との付き合い方”を見つけたい
読書を「自分の武器」にしていく話を続けます。
(※読書はしているけど、まだ手応えを感じられていない人へ)
▶︎ Aルートの記事を読む(Coming Soon)
※ どちらか一方を選ぶ必要はありません。
気になるほうから、自由に読んでください。
Bルート|「正直、まだピンときていない」
(※「自分には関係ないかも」と思ったことがある人へ)
読書がいいとは聞くけれど、
正直、まだしっくり来ていない。
そもそも、本に対して
少し距離を感じている。
読めない、続かない理由を、
もう少しだけ知りたい。
そんな感覚を持ったことがある人へ。
読書が遠く感じる人のための、
やさしい話に進みます。
▶︎ Bルートの記事を読む
本が読めないのは、あなたのせいじゃない──小さな火種から始める読書の話──

