【実践ログ①】速聴DAY1–10|2倍速は聴けた。でも理解・記憶は別だった

実践ログ01|速聴・速読トレーニング 読書
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※この記事は、速読に対する僕のスタンスや考え方を整理した記事の続きです。
速読についての前提や、なぜこの実践を行うことにしたのかは、

こちらの記事でまとめています。
速読という魔法を、僕は信じていた ――そして、一度手放すまでの話

この実践ログの位置づけ

この実践ログは、
「速聴をやったら能力が伸びた」という成果報告ではない。

あらかじめ言っておくと、
この10日間で、何かが劇的に変わったわけではないし、
魔法のような効果が得られたわけでもない。

今回のDAY1〜DAY10は、
速聴によって能力を伸ばす期間というよりも、

自分がどのくらいの速度を
“日常的に処理できる状態にあるのか”を
確認するためのフェイズだった。

結果として分かったのは、

2倍速で音声を「聴き取る」こと自体は、
それほど高い負荷ではなかった、という事実だ。


一方で、

  • 聴き取れること
  • 理解できること
  • 記憶できること
  • それを自分の言葉で再現できること

これらは同じ能力ではなく、
それぞれ別の処理であるという点も、はっきり見えてきた。

速聴は、
理解や記憶を一瞬で完成させる技術ではない。

あくまで「入口」を広げるための手段だと思っている。

この実践ログは、

その入口に立ったとき、実際に何が起きたのか。
何ができて、何ができなかったのか。

その途中経過を、
できるだけ誇張せず、断定せずに残した記録になる。

結論を出すのは、まだ先だ。
ここに書かれているのは、

あくまでDAY1からDAY10までの
速聴トレーニングの観察結果である。


トレーニング条件(DAY1–10)

今回の速聴トレーニングは、
以下の条件で実施した。

  • 期間:DAY1〜DAY10(10日間)
  • トレーニング時間:1日15分
  • 使用音源:特設サイトの音声(音源1〜3)
  • 再生環境:スマートフォン(タブレット)
  • 再生速度:
    • DAY1:1.5倍速
    • DAY2:1.7倍速
    • DAY3〜DAY9:1.9倍速
    • DAY10:2.0倍速

基本的なルールは「音声を聴くだけ」。
途中から、以下の簡単なアウトプットを追加した。

  • 印象に残った話を3行で書く
  • キーワードを3つ挙げる
    (正確さは求めない/抜け・間違いOK)

理解度や記憶量を数値化することはせず、
「聴いているとき、何が起きているか」を観察することを重視した。

DAY1〜DAY3:速すぎて不安になる

DAY1〜DAY3で、まず感じたのは
「聴き取れない」「難しい」といった壁ではなかった。

むしろ逆で、
あまりにも普通に聴けてしまうことへの不安だった。

DAY1では1.5倍速からスタートしたが、
正直なところ、ほとんど負荷を感じなかった。

普段から動画や音声を1.5倍速で聴くことが多いため、
特別なトレーニングをしている感覚がない。

DAY2で1.7倍速、DAY3で1.9倍速に上げても、
体感としては大きな変化がない。

  • 1.5倍速と1.7倍速の違いが分からない
  • 1.7倍速と1.9倍速も、ほぼ判別できない

「どちらが速いか当ててください」と言われたら、
正直、自信はない。

この時点で出てきた疑問は、かなり率直なものだった。

これ、ちゃんとトレーニングになっているのだろうか?

多くの人が
「速くて聴き取れない」「ついていけない」

という壁にぶつかる中で、
自分はまったく別の理由で立ち止まっている。

聴き取れてしまうからこそ、

負荷が足りていないのではないか。
耳がすでに慣れすぎているのではないか。

この段階ではまだ、

  • 速聴が有効かどうか
  • このまま続けて意味があるのか

判断はつかなかった。

ただひとつ言えるのは、

「聴き取れる=何かを理解・記憶できている」
という感覚は、まだまったく掴めていなかった
ということだ。

この違和感が、
次の実践ログの検証にて、大きな気づきにつながっていく。

DAY4〜DAY6:聴ける=覚えられる、ではない

DAY4あたりから、
速聴トレーニングに対する見え方が大きく変わり始めた。

音源を変えても、1.9倍速でも、
音としては問題なく聴き取れている。

ここまでは、DAY1〜DAY3と変わらない。

ただ、この頃からはっきりしてきたのが、

「聴き取れること」と「覚えられること」は、
まったく別の処理だという感覚だった。

話の流れや大筋は理解できている。
内容も、なんとなく頭には入っている。

けれど、

  • 「さっき何を言っていたか」
  • 「具体的にどんな話だったか」

と聞かれると、
言葉として再現しようとした瞬間に、詰まる。

同じ音源を何度か聴いているはずなのに、

「あれ、こんな話してたっけ?」

という場面も、普通に起きる。

この時点で気づいたのは、

速聴によって起きているのは、
理解や記憶の完成ではなく、入力の高速化だということだった。


この頃から、
「聴き取れる/聴き取れない」という軸よりも、

  • どこまで理解できているか
  • 何が記憶に残っているか
  • それを言語化できるか

といった、別の軸が前に出てくる。

試しに、

「印象に残った話を3行で書く」
「キーワードを3つ挙げる」

という簡単なアウトプットを加えてみた。
すると、さらに分かりやすくなる。

  • 聴いているときは分かっている“つもり”
  • いざ書こうとすると、抜け落ちている部分が多い

聴き取れているからといって、
理解や記憶が自動で完成するわけではない。

これは、
以前速読で感じた違和感と、とてもよく似ていた。


速聴は、
理解や記憶をショートカットする技術ではない。

できるのは、
「情報が入ってくる入口を広げること」まで

そこから先――
理解を深めたり、記憶を定着させたりするには、

結局のところ、

  • 考える時間
  • 整理する時間
  • アウトプットする時間

が必要になる。

このフェイズで見えてきたのは、

速聴の限界ではなく、
速聴の役割がどこにあるのかだった。

DAY7〜DAY9:記憶と出力が主役になる

DAY7あたりから、

速聴トレーニングの「主役」が、
いつの間にか入れ替わっていることに気づいた。

もはや、

  • 聴き取れるかどうか
  • 速度についていけるかどうか

このあたりは、ほとんど問題になっていない。

代わりに前に出てきたのは、

  • 何が記憶に残っているか
  • どこをアウトプットできるか
  • 何を拾い、何を捨てているのか

という、出力側の悩みだった。


同じ音源を数日続けて聴くと、
話の流れや大枠は、少しずつ安定してくる。

ただし、それは
「全部を覚えている」という状態ではない。

印象に残る場面や言葉は、確かにある。
一方で、細かいディテールは、普通に抜け落ちる。

ここで強く感じたのは、
速聴は“何でも覚えられる状態”を作るものではない
ということだ。


このフェイズで、特に分かりやすかったのが
「知らない言葉」に対する反応だった。

音としては聴き取れている。
でも、その意味が分からない。

何度聴いても、

  • それが何を指す言葉なのか
  • どんな漢字が使われているのか

想像できない。

文字で見ないと理解できないものは、
速く聴いても、やはり分からない。

ここでも、

知識・経験・語彙が理解を支えている、
という当たり前の事実を再確認することになる。


この頃には、
速聴トレーニングというよりも、

「限られた時間の中で、
どこを拾い、どこを捨てるかを選ぶ練習」

をしている感覚に近くなっていた。

聴く速度そのものより、

記憶と出力の配分の方が、
はるかに難しく、はるかに重要になっていた。

この変化は、
速聴が無意味だという証拠ではない。

むしろ、

速聴の役割が
「すべてを覚えること」ではなく、

全体像を素早く掴むことにあると、
はっきり示していた。

DAY10:2倍速は日常、課題は残る

DAY10では、
再生速度を2.0倍速に上げてトレーニングを行った。

ここまで何度も聴いてきた音源ということもあり、
2倍速でも、音として聴き取ること自体に大きな違和感はない

少なくとも、

  • 速すぎて内容が分からない
  • ついていけない

といった感覚は、ほとんどなかった。

この時点で、
「聴き取る速度」という意味での前提条件は、
ひとまずクリアできていると感じた。


ただし、課題は残る。

聴き取れているからといって、
すべてを正確に覚えられるわけではない。

  • 印象に残る話はある
  • 流れは大まかに分かる
  • でも、細部までは再現できない

この感覚は、DAY4以降ずっと変わっていない。

2倍速であっても、
理解や記憶が自動的に完成することはない。

ここで改めて、
速聴の役割がはっきりした。

速聴は、

入力の速度を上げる技術であって、
理解や記憶を一瞬で完成させる技術ではない。

DAY10は、

その事実を確認してフェイズ1を終える、
ちょうどいい区切りになった。

暫定的な結論(断定しない)

DAY1〜DAY10を通して、
現時点で言えることを整理すると、次のようになる。

  • 僕の場合、前提速度(音声を聴き取る速度)は、すでに日常レベルにあった
  • 速聴によって、入力そのものが劇的に変わったわけではない
  • 一方で、速聴は「入口を広げる」効果を持っている

特に感じたのは、
速聴はアウトプットの時間を確保するための技術
だという点だ。

理解や記憶の精度を少し落とす代わりに、
短時間で全体像を掴む。

その分、

  • 考える
  • 整理する
  • 書く
  • 話す

といった工程に、
より多くの時間を回せる。

これは、
速読について考えてきた中で辿り着いた考え方とも、
自然につながっている。

ただし、

これはあくまで、DAY1からDAY10までの
実践ログの観察結果にすぎない。

速聴(=速読)の評価を
確定させるには、まだ早い。

次のフェイズで見るポイント

次回の実践ログ(DAY11以降)では、
次の点を意識してトレーニングを続ける予定だ。

  • 初見の音源を、2倍速で聴いたときの出力はどうなるか
  • 音源の情報量が増えた場合、理解と記憶はどこまで維持できるか
  • アウトプットの型を固定すると、定着度は変わるのか

速聴が、

  • どの場面で有効なのか
  • どこから先は別の工程が必要なのか

その境界線を、
もう少しはっきりさせていきたい。

今回はDAY1〜DAY10までの記録をまとめた。
DAY11以降もトレーニングは続くので、

ある程度まとまったタイミングで、
同じように実践ログとして記録する予定だ。

今回の実践ログは、ここまでとする。


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